おかん(かあちゃん)/だいたい関東弁バージョン


「ねえ、かあちゃん。きょうの ばんごはん なに?」
「はあ? ひるごはん、たべたばっかりのに
 もう ばんごはんのこと、かんがえてんの?」

「ねえ、かあちゃん。あしたは、あめなんだって」
「じゃあ、せんたくもの ほせないから、ふく、よごさないでよ」

「ねえ、かあちゃん。とうふに さとう いれたら、プリンに なる?」
「なるわけないでしょ。プリンは ぎゅうにゅうと たまご。 
 とうふは まめで つくるんだよ。
 そんなことより、ようも ないのに れいぞうこ あけないで!」

「ねえ、かあちゃん。いま、ゆめん なかで、
 かあちゃん、すっごい おこってたよ」
「そりゃそうだろうね。ゆめん なかでも、どこでも、
 かあちゃんは しっかり みはってるから。わるいこと しないでよ」

「ねえ、かあちゃん。トラと ライオンって どっちが つよいのかなあ」
「しらないよ。なんで トラと ライオンが しょうぶすんの?
 だいたい すんでる ところが ちがうんじゃないの?」
「ちょっと、かあちゃん、こっち みて──」

「ちょんまげ」
「こらっ! たべもので、あそんでると、ばちが あたるからね」

「ねえ、かあちゃん。UFO みたこと ある?」
「あるわけないでしょ。みつけたら ビデオに とって、
 テレビきょくに うりつけてるって」

「ねえ、かあちゃん。かたつむりの から とったら、
 なめくじに なるかなあ?」
「なんでそうなるの。じゃあ、かめから こうら とったら、
 いったい なんになるの?」

「あっ、かあちゃん。グローブと バット、かってに  さわったでしょ!」
「なに いってんの! だしっぱなしに してるから
 かあちゃんが しまったんでしょ!」

「ねえ、かあちゃん。がいこくに いったこと、ある?」
「がいこくねえ。かあちゃんは みなみの しまが いいな。
 はやく、おとなに なって、かあちゃんを つれてってよ」
「うん。かあちゃん、まかせてよ。やしのみ たべさせてあげる」
「ほんと?」
「あっ、かあちゃん──」

 ぷ────ぅ

「おならだよ〜ん」
「はあ? なにそれ……。くさいな、もうっ」

「ねえ、かあちゃん」 「なに?」
「ねえ、かあちゃん」 「だから、なによ?」
「よんだだけ〜」   「まったく……」

「いいかげんにしてよ! かあちゃん、かあちゃんって ほんっとに
 うるさいなあ。ちょっとの あいだで いいから、
 かあちゃん、かあちゃんって いわないでよ」
「それじゃあ──」

「ママ?」
「そうそう。ほんとは かあちゃんね、まえから ママって
よんでほしかったんだあ──」

「──って、こらっ! そういう もんだいじゃないでしょ。
あさから ばんまで ぺらぺら ぺらぺら、
しゃべりっぱなしで、ほんっとに うるさいなあ」
「なんだよ。かあちゃんだって、いっつも ぺらぺら ぺらぺら
しゃべってるよ」
「おとなはねえ、だいじな はなしが いろいろ あるの」
「こどもだって だいじな はなしは あるよ」
「なによ? いってみなよ。なにが だいじな はなしなの?」
「ねえ、かあちゃん──」

「ばんごはん なあに?」

(おしまい)


翻訳/神奈川県のひらたまさひろ


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